いまさらのレポートですが、11/9(月)に、「レ・ミゼラブル」観てきました。初レミゼです。すごくドラマティックで見せ場がいっぱい、楽曲も魅力的で、とにかく圧倒されました。どなたかがタカラヅカ的とおっしゃっていたけど、私もそう思いました。結構好きかも。
一つのシーンが終わると次は別な時代になって元囚人がいきなり市長になっていたり、一目で恋に落ちるコゼットとマリウス、2度目に会った時に「あなたの娘は私が守る」とファンテーヌと約束して本当にやり遂げてしまうバルジャンなど、話の展開が早くかつ、若干無理がある気もしますが、愛と革命とロマンスの三拍子そろったこれぞ王道のミュージカルだと感じました。
刑期を終えて路頭に迷うバルジャンを司教の一家が温かく迎えますが、その恩をあだでかえすように銀食器を盗んで逃げようとすると、司教はその罪を許したばかりかさらに銀の燭台まで与えます。ここで思わず涙。司教いわく、「あなたの魂、私が買った」。え?「愛はお金で買えないけれど借りることはできる」のよね?(それは「RENT」でしょ!笑)魂は買うことができるの?と、軽く混乱してみたり(笑)
革命のシーンはなんか血が騒ぎますね(笑)。「ベルばら」とは若干時代が違うのかも知れないけど、戦闘シーンで銃弾に撃たれて死んでいく時のオーバーアクション、スローモーションで倒れていくところもタカラヅカ的で、オスカルやアンドレの死のシーンを思い出しました。バリケードが回転し裏側に壮絶な死を遂げたアンジョルラスの死体があらわれた時、その美しい?死に様に客席から拍手が上がったのはちょっとびっくりでしたけど。ひとつひとつの動きが美しくみえるように計算されつくされているのですね。革命前夜のカフェのシーンのRed and Blackといいう歌の変拍子のリズムがとても好き。オペラ「アイーダ」(またはサッカーのワールドカップ)を連想させるマーチもかっこよかったし、ここに「ラ・マルセイエーズ」が流れたら気分は完全に「ベルばら」ですね。
大仕掛けの舞台装置はさすが東宝!そこいらにあるものを積み上げて(「クレイジー・フォー・ユー」みたいに!)バリケードを市民が組み立て始めた時はこんな手作りのものにみんなで乗って大丈夫なの?と思いましたが、次の場面では舞台の左右の袖から巨大な瓦礫の山が中心に向かって出てきて上下に半回転しながら合体。なんと大掛かりな!!お屋敷の鉄柵の門の手前と向う側を交互にみせるシーンでは同じ帝劇で観た「ミス・サイゴン」を連想。「ヘリコプターはまだかしら?」(笑)
この日のキャストについてですが、レミゼ初心者なので失礼発言もあるかも。ファンの方ごめんなさい。
まず印象に残ったのはジャベール役の岡さん。暗い感じだけど(そういう役柄なんでしょうが)、歌に迫力があり、引き込まれるものがありました。バルジャンの橋本さんも悪くはないのですが、ジャベールにちょっと負けてたかも?誰かに似てるな~と思ったら、「サンデー・イン・ザパーク・ウィズ・ジョージ」のジョージみたいだな~と(ひげが!)。
かっこいい~!!!と思ったのはマリウスの藤岡さん。登場した時から目がくぎ付けで、しかもすごくきれいで情感豊かなテナーボイスにうっとり。これならコゼットも(私も?)一目ぼれしちゃうかも?アンジョルラスの坂元さんもかっこよかったです。驚いたのは子役の活躍。ガブローシュを演じた田川颯眞くんは小学4年生。パンフレットのインタビューでは「僕は4年前からガブになりたくて、(撃たれて必死で鞄を投げるシーンのために)いつも家の外壁で高くボールを投げる練習をしてきました」っていうのですが、「4年生の4年前って、いくつでレミゼ観てるわけ?」というところと、その意気込みにびっくり!!さすがの名演技でしたよ~。有名俳優を黙らせてひとりで場を仕切るような場面も多々あり、この年齢でこれをやって拍手喝采を浴びたら、もうこの世界から足を洗えないでしょう、この子は、って思いました。すごい!!
女性は・・・。基本、あまり興味がないんですけど(笑)、コゼットの菊地美香ちゃんが無垢な少女って感じでかわいかったし、声もきれいでしたね。実は、私の旧姓はこの方と全く同じなので、妙に親近感を感じていたりします。女性の見せ場といえばファンテーヌが歌う「I Dreamed a Dream」とエポニーヌが歌う「On My Own」ですが、どちらもいい歌だと思いましたが、エポニーヌがどういうキャラなのか、ふつうの恋するやさしい女の子なのか、不良っぽい感じなのか、この歌の中でも定まっていない感じがあって、きれいな曲だと思って聞いていると、急に荒っぽい感じの歌い方になったりして、どうなのかなーと思ってしまいました。
忘れてはいけないのがテナルディエ夫妻ですね。この感動的なドラマに、なんでこんな中途半端な悪人夫婦が必要なんだかよくわからないけど、夫の方の役の駒田さんの悪巧みでほくそ笑む顔が忘れられません。歌も聴いているうちに、昔はやった「テレビもねえ、なんとかもねえ、・・・、オラこんな村やだ~」っていう歌に聞こえてきて、あまりの田舎臭さ、下品さに呆然としました。駒田さん、楽しそうでしたけどね。
それにしても、こんなに人がたくさん死ぬミュージカルも珍しいのではないでしょうか?役のついている人で死なないのは、マリウスとコゼットとテナルディエ夫妻くらいであとは全員死にますよね?最後にバルジャンが死ぬところで、既に死んでいる人が勢揃いして、その死者の数の多さに驚きました。その前に、バルジャンを迎えにくるファンテーヌとエポニーヌですが、ファンテーヌは「娘を守ってくれてありがとう」っていうのはあるかも知れないけど(でも必要以上に恋人ちっくなのが疑問ですが)、エポニーヌはなぜ?恋敵のコゼットの親代わりだった人でしょ?しかもコゼットの母のファンテーヌと手をつなぐのはなぜ?そこがよくわからない。ジャベールが迎えにきたりすると、それはそれでややこしいですけどね。きれいどころに囲まれて昇天というのが男のロマン?(笑)
余談ですが、会場ではレミゼグッズの他に、普通の宝石(アクセサリー)が売っていたり、食べ物もクレープとか肉まん?みたいなものだったか、とにかく色んなものがありました。レミゼみた帰りに宝石を買うのが観劇の基本?あまり欲しいのがなかったです。ピアスだったら欲しいかも。
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