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「Hair」(7/25夜)その2 第一幕の続き~第二幕
Delacorte_night_DSCN1459.jpg
*写真は夜のデラコート・シアターの外側(ボックスオフィスあたり)
 
少し前、「RENTはホモセクシュアルやバイセクシュアルのキャラクタを含む様々な人種のキャストを登場させた最初のブロードウェイミュージカルのひとつ」と解説した記事を紹介しましたが(→過去記事)、それよりも30年近く前の1967年に初演された「Hair」で既に色々な人種のキャストが出演し、セックスやドラッグや戦争など社会的なテーマをとりあげていて、当時としてもかなりインパクトがあったのではないかと思うし、それからさらに40年近く経過した今みても新鮮だし、舞台と客席が一体になれる不思議な力を持っていると感じます。歴史に残る作品だけのことはありますね。思いつきで観に行ったのですが、行ってよかった。と同時に、もっと色んなことをわかってから観れたらよかったとの反省もあり、今更ながら、オリジナル・キャストCDの解説を読んだりしています。そこでの発見も交えつつ、前回( 「Hair」その1)の続きを書きたいと思います。
 
以降、ネタバレあり。
Hair_nowar_tn-500_hr22.jpg
*写真は参考リンク(4)より
 
その前に、シーラ(Sheila)のことを少しだけ。観ている時はあまり意識していなかったのですが、オリジナル・キャストCDに封入された冊子の最後の方にキャラクタの設定が書いてあるのですが、SheilaはBergerとClaudeと一緒に住んでいるprotester from N.Y.Uとあり、つまり学生運動で社会に抗議している人なわけですね。上の写真の反戦運動の場面の真ん中にいるのがSheilaです。(*「RENT」のMaureenとイメージが重なりますね。)これは「I Believe in Love」の場面だったと思うのですが・・・。
 
そしてたぶんこのシーンかその前だったと思うのですが、キャストが客席の方に来て、(たぶん反戦の)ビラとかお花を配ったのですが、私の右隣(通路沿いの席)のおじさんがそのビラを、ひとりおいて私の左のおじさんに黄色っぽいお花をもらっていました。お花をもらったおじさんが幕間に私にくれたので、近くにいた女性がもらった花を髪に挿していたので私もまねしてみました。
 
Sheilaはバーガー(Berger)のことが好きでそっけないBergerを追いかける立場なのですが、1幕のどこかの場面で、そういう流れでBergerがSheilaを地面に横たえて上に覆い被さり、その上に黒人の男性が乗って「これでアメリカのいい子どもが産まれる」みたいなことを言って、その上にもうひとり誰かが乗ってさらに女の子が乗ったところで崩れる、というのがありました。人種の壁を越えたすごい発想だなとちょっとビックリでした。そういえば妊婦のジーニー(Jeane)の子どもの父親については説明はなかったと思いますが、映画版では、肌の黒い子が生まれたらハッド(Hud)の、白い子ならウーフ(Woof)の子と言われていましたね。それはこのへんからきてるんでしょうかね。
* * * * *
 
ここから前回の続きになります。SheilaがBergerにレモンイエローのサテンの長袖シャツとプレゼントするのですが、Bergerは気に入らないらしくそれを振り回したりします。そしていつの間に入れたのか、ジーンズのファスナーを下ろしてそこからそのシャツをずるずる引っ張り出しつつ「セックス、セックス・・・」と叫んだり、しまいにはそのシャツを真っ二つに破いてしまいます。「どうしてそんなことするの?」と聞くSheilaにBergerは「I hate yellow.」と言って去っていってしまうのです。そこでSheilaが「Easy to Be Hard」を歌います。「どうして人は簡単に冷たくなれるの?」というわけです。Sheila役のCaryn Lyn Manuelの歌も聴きごたえがありました。
 
少し飛ばして「Hare Krishna」の場面。舞台が薄暗くなって(どのタイミングで暗くなったか忘れましたが、舞台中央にはドラム缶。そこにひとりずつ紙(召集令状)を入れていきます。入れてから祈るような仕草をしたり、ちょっと儀式的な雰囲気。(*このあたりもRENTを思い出します。RENTのもとになったLa Bohemeでもストーブで原稿などを燃やすシーンがあるのですが、ドラム缶というところがHair的だなと。)最後はクロード(Claude)。入れようとして、なぜか思いとどまるのです。そして舞台の向かって右側に立ち「Where Do I Go?」を歌います。歌の後半、キャストの誰かが上着を脱いだなと思ったらみんな脱ぎだして、男性も女性も全員が全裸に!そういうシーンがあるのはわかっていたのに、すっかり頭から抜けていたのでびっくりでした。もっと真っ暗になるのかと思ったら薄暗いだけなので、ふつうに全身みえてしまいます。「全員が全裸」とは書きましたが、これはClaudeへの無言のアピールということらしく、だから当然と言えば当然ですがClaudeは脱ぎません。ではそれ以外は本当に全員なのかというと、よく考えてみれば、私の前あたりに立っていたのは男性3人と太めの女性で反対側(右側)にも何人かいたのでしょうが、その後ろにもいたのかな。そんなにたくさんの人の裸をみたという感じはしなかったのですが、本当に全員いたのかな。あまり全体を見渡す余裕がなかったので何とも言えませんが。
 
歌が終わると突然サイレンが鳴り響き、裸のキャストたちはみんな服を持って走って退場していきます。警察がきたから逃げろ~みたいな雰囲気で。ここでインターミッションのアナウンスが入ります。(*この感じもRENTを連想します。La Vie Bohemeの最後もブラックアウトしてサイレンが鳴りますよね。これはオリジナルでもそうなので、RENTが参考にしたのかも。)
 
 
第二幕
ここから先は細かくはよくわからないのですが、軍隊にはいることに決めたClaudeをみんなが行かないように説得したり、ドラッグの妄想の中でのことだったりのようなのですが、戦いの場面などが何度も出てきます。それも頭から背中にかけて羽根飾りを付けたアメリカ・インディアンやインドの僧侶やキリスト教のシスターのような扮装の人が出てきたり、派手な軍服の人が出てきたりします。Claudeがそういう人たちと戦う場面もあって、「ここで死んじゃうのかな」と思うとそうじゃなくて、みたいな感じで続いていきます。
 
第2幕の最初の曲「Electric Blues」はカラフルな照明に照らされながら、例のお父さん&マーガレット・ミードを演じてすごく面白かったAndrew Koberなど4人が中心になって歌う華やかな曲。「What a Piece of Work Is Man」はシェークスピアの「ハムレット」からの引用らしいです。
 
第二幕の前半のどこかで、Claudeが自分の部屋を片付けてそれを友だちに分けるシーンがありました。Woofには彼が大好きなミック・ジャガーのポスターをあげていました。Claudeの決意がうかがえるシーンです。
 
最後の方になって(出征前ということなのか)ClaudeがSheilaに「Will you marry me?」とたずねるシーンがあります。SheilaはBergerが好きなはずなのですが、その3人が手をつないだりして、BergerがSheilaを譲る?ような感じでClaudeとSheilaがふたりきりになります。でもキスしたりとかそんな感じじゃなかったと思うのですが。そしてすぐにSheilaが「Good Morning Starshine」を歌います。だからきっと一緒に朝を迎えたということですよね?オリジナルCDの解説にはSheilaがClaudeの入隊という現実から逃避するためにこの歌を歌うとあります。
 
オリジナルCDの解説によると、当初はこのあとマットレスが運ばれてきて服を脱いだSheilaとClaudeのベッドシーンがあり、Claudeが「Exanaplanatooch」、Sheila「Climax」という歌を歌うと計画されていたのですが、それがカットされてTribe(Hairでは役名のついていない人たち、つまりアンサンブルの人たちをこう呼んでいる)が「The Bed」という歌を歌うことにした、とのことで、オリジナルCDにも「The Bed」が入っているのですが、今回の曲目リスト(Playbillの)にはなかったので、そのシーンはカットされたのでしょうね。でももしそのシーンがあったら、Claude役のJonathan Groffは「Spring Awakening」でそういうシーンを演じていたので、それがだぶってしまいそうです。
 
そのあと、突然カーキ色の軍服をきたClaudeが登場。リカちゃん人形のリカちゃんの恋人のわたる君みたいな(こんな説明でわかる?)わざとらしいくらいかっちりセットされたヘアスタイル。ヒッピーなJonathanは若干膨張して見えていたのが、軍服を着ると締まって見えるので、一瞬、「この人誰?」と思ったくらいの変貌ぶり(笑)いや、なかなかかっこよかったですよ。彼は制服を着るとかっこいいんです(Spring Awakeningの制服はかなりぴちぴちで苦しそうでしたけど)。Bergerや他の仲間たちに話しかけるのですが、誰も彼のことが見えないし、彼の言葉も聞こえないのです。「僕は死んだのか?」といいつつ、「The Flesh Failures/Let the Sunshine In」を歌いはじめます。そして後半は全員が「Let the Sunshine In」の部分をくり返します。その間に、前にいるTribeの後ろに大きなアメリカ国旗が敷かれ、歌が終わってキャストが引き上げると、そこには国旗の上に横たわるClaudeだけが残されていました。その静かな存在感が戦争の悲惨さを物語っていると感じました。これはベトナム戦争の頃の話ですが、テレビでリアルタイムに伝えられたイラク戦争や今でも各地で起きている紛争を思うと、人間はどうしてこうも変われないのだろうかと悲しくなります。
 
カーテンコール
キャストが順番に出てくるカーテンコール。何かの曲がかかっていたんだけど、「Hair」かな?そして、いつの間に退場したのか、最後にClaude役のJonathanが、軍服姿ではなくはじめのヒッピースタイルで登場。あらためてJonathanだけは最後まで脱がなかったなと思いました(それを期待して行ったわけではないんですけど)。
 
曲は途中から「Let the Sunshine In」にかわり、キャストが客席にいる人を引っ張りに来て、引っ張られた人は一緒にステージ(というかただの芝生なんですが)に行ってみんなと踊っていました。だんだんに呼ばれなくても勝手にあがっていっちゃう人もいて、行かない人も客席でノリノリで、すごくもりあがりました。最高に楽しかったです。夜風が心地よくて、開放的で、野外ステージっていいですね。
 
長くなったので、出待ちと追加情報は別記事にて。
 
★NYの旅(2008年7月)の記事一覧はこちらです。
 
◆参考リンク
(1)PHOTO CALL: Hair Grows at Central Park's Delacorte Theater(Playbill.com)
(2) ミュージカル「ヘアー」セントラル・パークで開幕(Playbill Japan)
(3)Photo Coverage: HAIR Opening Night in the Park
(4)Photo Flash: The Cast of 'Hair' Lets The Sunshine In
(5)Hanke To Replace Groff For Two Week 'Hair' Extension
(6)Public's 'Hair' Extends Again At Delacorte Until 9/7
(7)Public Announces Final HAIR Extension Until 9/14
 
動画
 Opening Night: Hair in Central Park
 
◆関連商品リンク
いずれも今回のキャストのものではありません。
・オリジナル・キャストCD
Hair: The American Tribal Love Rock Musical - The Original Broadway Cast RecordingHair: The American Tribal Love Rock Musical - The Original Broadway Cast Recording
(1990/10/25)
Jimmy Lewis、 他

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*解説はあるが、歌詞の記載はなし。
 
・映画版サウンドトラックCD
ヘアーヘアー
(1999/09/22)
サントラ

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*ブロードウェイ版とは曲順が異なる(ストーリーもかなり変えてある)し、曲数も減っているが、英語の歌詞(日本語訳付)があるのでオススメ。
 
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【2008/08/23 22:46 】 | HAIR | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント

私もついに観てきました。見終わった後ですが・・・himikaさんの記事を読んで、勉強させてもらってます。(ネタバレを気にしてたので(笑))またコレをふまえたうえでもう一度観に行きたいです。解説、ほんとスゴイですね!!ITHもですが、ほんと参考になります。

【2008/08/25 22:34】 | URL | aya #-[ 編集] | page top↑

ayaさん
>私もついに観てきました。
クロード役がかわっているんですよね。
期間も延長になり、大好評ですね。

>(ネタバレを気にしてたので(笑))
そう、私、ネタバレ多すぎますよね。
私はどうも感想を書くのが苦手なようで、それより「この場面はどういう意味だったんだろう」とか気になると調べたくなってしまって(笑)

>またコレをふまえたうえでもう一度観に行きたいです。
私の誤解や記憶ちがいもあるかも知れないので、今度またご覧になって、ここはちがうよっていうようなところがありましたら、ぜひ教えてくださいね。

【2008/08/26 01:20】 | URL | himika #SFo5/nok[ 編集] | page top↑
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