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スズカツ版「欲望という名の電車」と「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の白いドレス
ずっと書きかけのままになっていた記事を、ちょうど山本耕史主演「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が再演中のこの時期でもあるので、アップしたいと思います。
 
私は、2007年の11月、鈴木勝秀演出、篠井英介主演(ブランチ役)の「欲望という名の電車」を2回みました(→関連記事)。その時に、主人公のブランチの衣装がちょっと気になりました。同じ年の4月、やはり鈴木勝秀演出の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(山本耕史主演)をみていたので、「あれ?ヘドウィグ(のイツハク)みたい?これってなに?」と気になったのです。
 
以降ネタバレあり。
「欲望~」を観たあと、私は原作本(英語版:いくつかバージョンがある中のPenguin Classics社版/日本語版:「欲望という名の電車 (新潮文庫)」小田島雄志訳、新潮社版)と映画版のDVD「欲望という名の電車[DVD]」を手に入れました。色々と確認したいことがあったので。
 
スズカツ版のブランチはずっと黒い服を着ていて(デザイン違いの何種類かを着替えつつ)、最後だけ真っ白なドレスを着て家を出ていきます。これを観て、「スズカツ版ヘドウィグのイツハクみたい」と直感的に思ったので、これが原作通りなのかどうか確かめたかったのです。ちなみの映画版「ヘドウィグ~」のラストシーンでは、イツハクはヘドウィグから渡されたウィッグをつけて真っ赤なドレスを着ていました。これはイツハクが本来の自分に戻ったことを表現しているのですが、2007年のスズカツ版ではイツハク(中村中が演じた)は白のウェディングドレス風の衣装をまとってまるでバージンロードを歩くかのように出てきました。オリジナルの舞台版を観ていないので比較はできませんが、この白いドレスにはなんだか違和感があったのです。ヘドウィグの夫であるイツハク(ドラァグクイーンになりたがっている)ちなみに2008年のスズカツ版「ヘドウィグ~」の再演(山本耕史主演)でもイツハク(ソムン・タクが演じた)は最後は白いドレスですが、こちらはシンプルなデザインで全体にラインストーンなどが配してありウエディングっぽくはなかったです。
 
「欲望~」の原作を読むとブランチは白いドレスで登場し、途中では柄ものも身につけ、最後のシーンでは青色(デラ・ロビア・ブルー:Della Robbia blue)のスーツを着て去っていくことになっていました。ブランチのセリフの中で「ブランチはフランス語で白、デュボアは森」という意味だと語られています。その意味でははじめが白い衣装でそれがだんだん色んな色に染められて、最後は悲しみの青い色に染まったと考えると自然な色遣いと感じます。ブランチのセリフの中に、「これから自分は船の上で一生を過ごして、死んだら水葬にされて青い海の底に沈んでいく」というような話もあり、青は死の象徴でもあります。
 
ビビアン・リー(ブランチ)&マーロン・ブランド(スタンリー)による映画版はどうかというと、なんと白黒映画なので色はわかりませんが、最後にブランチが妹夫婦の家を出て行くために身支度をしている時に、やはり衣装の色を「デラ・ロビア・ブルー」と表現しています。
 
それなのに、スズカツ版「欲望~」はなぜ黒から白なのでしょう。白い衣装は死かあるいは再生を意味しているのでしょうか。最後にブランチが白い衣装に着替えた時、他の人たちはなぜかみな黒っぽい服を着ていました。まるでブランチのお葬式みたいに。これも原作にはないことです。そういえばスズカツ版「ヘドウィグ~」のイツハクもずっと黒い衣装で最後だけ白でしたね。その時ヘドウィグ(トミー?)は黒のショートパンツと黒いブーツ(うろ覚えですがたぶん)で、これも黒系ですね。だから似てると思ってしまったのかも。(映画版のイツハクはRENTのTシャツを着たりしてましたよね。)そこにスズカツさんなりの意味づけや思い入れが強く出ているのだと感じたのでした。演出でこれだけちがいがあったりするものなんですね。
 
◆リンク
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【2008/05/28 23:55 】 | plays/お芝居 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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