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超ネタバレ「Company」
BSと教育テレビと2回「Company」を観たのに、感想を書いていなかったので、少し(と思ったけど、結果的にはかなり長々とになりましたが)書いてみようと思います。

放送の中で、「Company」以前のミュージカルは(外面的な)物語を表現していたのが、「Company」では人間の心の中の物語を表現したところがとても斬新で当時の人をあっと驚かせたというような説明がありました。そしてその影響を受けた作品のひとつが「コーラスライン」でもう一つが「RENT」だとも。私はそこに、「RENT」の原型とも言うべきJonathan Larsonの「tick,tick...BOOM!」を加えたいと思います。今回「Company」を観てみて、かなりの影響を感じました。

以降、超ネタバレです。
「Company」は35歳の誕生日当日、まだ結婚に踏み出せない男Robert(Bobby)の物語。その日、仲間たちはボビーのサプライズ・パーティーを計画して、彼を呼び出そうとしています。そこから、5組の既婚カップルと3人のガールフレンドとのさまざまなエピソードが語られます。にぎやかなバースデー・パーティのようですが、最後にボビーは決心を固め、「Being Alive」を熱唱した後、パーティー会場で待ちぼうけを喰らった仲間たちのざわめきが聞こえてきて、これまでのことがBobbyの頭の中での回想であったことがわかるしかけになっています。そして最後にBobbyはひとりで何事かを祈り、バースデー・ケーキのロウソクを吹き消すのです。

わけありの5組のカップルは・・・
・飲酒運転で捕まって禁酒中のHarryと彼の話をいちいち訂正するSarah。Sarahは最近空手に凝っていてHarryもその相手をしてみたりして、本当は仲良し。結婚ってがっかりすることと感謝することが同居しているのですね。
・いかにもおしどり夫婦のPeterとSusanに冗談で「離婚する時は真っ先に教えてよ」といったら「実は離婚するの」と。しかも離婚後も「子どももいるし」と同居を続け、なんだか一層仲良しに。
・妙にハイテンションなJennyとそれにつきあうDavid。あとでDavidから「彼女は堅物で面白みがないと言われたくなくて演技してるだけ。」と聞かされたBobbyは「?」。
・Amyは何年も一緒に暮らしてきたPaulとの結婚式当日に結婚したくないといいだしてPaulを困らせる。
・熟年カップルのLarryとJoanne。結婚3度目にしてお金持ちのLarryをゲットした奔放なJoanne。一見高慢で身勝手な彼女をよく理解して自由にさせているLarryはさすがに大人!

一方、3人のガールフレンドは・・・
・KathyとBobbyはお互いに結婚したいと思っていながら口に出せず、そのことに気づいた時に、Kathyは結婚が決まってNYを離れることを告げる。
・ここが世界の中心だからNYに来たというMartaは、自分中心のこの街の雰囲気が気に入り、あらゆる民族の人たちと友だちだという個性豊かな若い女性。その勢いに押されっぱなしのBobby。
・客室乗務員のAprilは天然ちゃん。どうも会話が噛み合わない。そこを無理矢理話を合わせてなんとかベッドインにこぎつけるBobby。翌朝、「仕事だから帰らなきゃ」というAprilを引き留めるポーズをしたら本気にされてしまって、「Oh, God.」

さらに・・・
・Peterからは男性同士の関係をもちかけられ、「その手には乗らないぞ」とかわすBobbyだったが、ふたりが本当のところどうなのかは謎のまま。
・Joanneは夫が席を外したすきにBobbyにモーションをかけるのですが・・・。

あらすじのつもりが、何だか詳しく書きすぎてしまいましたね(笑)



私は「Company」は今回のJon Doyle演出のものしか観ていないので他と比較はできませんが、とにかく洗練された舞台で惹きつけられました。どのキャストも個性的でしたが、やっぱりRaul Esparzaが最高でしたね。かっこよくてみんなから愛される一方、心の中は様々な思いで揺れ動いているBobbyを表情豊かに演じて、とても存在感がありました。こちらでも書いたように、Raul自身、色々考えるところがあったんじゃないかな、と勝手に想像しました。(バイセクシュアルの疑いをかけられるシーンとか、どんな思いで演じたのかしら。)楽器の使い方も効果的でした(その辺はみんな言ってることだから省略しますが)。感心したのは、3人のガールフレンドたちが歌う「You Could Drive a Person Crazy」。3人はそれぞれ管楽器を持ち、通常、一節歌って息継ぎするところで楽器を吹かなくてはいけなくて、もちろんその直後から歌が入るので、これはかなり難しいぞと思いました。

こちらは「Company」を観る前に書いた記事ですが、この時は何となく思ったことがかなり確信に変わりました。まず「tick,tick...BOOM!」との類似点ですが、こちらは30歳を前に作曲家として生きるか、あきらめて就職するか悩むJonathan(Jon)の物語。その設定もそっくりだし、恋人のSusanや親友、その他色んな人(Sondheimも声だけ登場する設定)と関わりながら試行錯誤を続けるところも。最後に誕生日当日、色んな人からの留守電メッセージを聞くところやバースデーケーキも出てくるし。もちろんJonは夢をあきらめないことを選ぶわけだし。そして、恋人の名前がSusan。「Company」のSusanは離婚しても仲良しな、よきパートナーをみつけた愛らしい女性でしたが、こちらのSusanはJonと同様に夢を追いかけながら、時にはあきらめてJonと結婚して田舎に引っ込もうかと迷う女性でした。こちらは名前を借りただけかな?もうひとつttbには、「Therapy」という、JonとSusanが口げんかする歌があるのですが、どんどんテンポアップして、最後は早口言葉のようになります。「Company」では、結婚式の日に結婚できないとAmyが言い出す「Getting Married Today」で、Paulとの掛け合いでAmyだけが早口で歌いますよね。ちょっとちがうけど少し似てるなと思って。このあたりはどうかはわかりませんが、いずれにしても「Company」からかなり影響を受けていたと感じますね。

そして「RENT」。自分探しのテーマは踏襲されていますね。そして、RogerのAIDSで死んでしまった恋人がApril。特徴的な名前だから、偶然ということはないでしょう。「RENT」ではAprilがどんな女性だったのかはほとんど描かれていませんが、「Company」のAprilを知っている人なら、純粋で一途な女性をイメージするかも知れませんね。そしてJoanneもApril同様、「RENT」のもとになったオペラ「La Boheme」に出てこないキャラクターです。お金持ちの娘で弁護士、時には勝ち気なMaureenをもかしずかせるパワフルな女性という設定が、お金持ちの奥様で圧倒的な迫力を持つJoanneと重なります。こちらも関係あるんでしょうかねえ。何をみても、最後は「RENT」と結びつけたくなってしまう私の妄想かも知れませんけどね(笑)
 
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【2007/11/18 23:37 】 | Company | コメント(4) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント

こんにちは。


先日は色々とありがとうございました。
その後こちらからメールをお送りしましたが無事届きましたでしょうか?


やっぱりカンパニーはその後色々な作品に影響を与えているんですね。 演出家の人によってもかなり変わるでしょうしね。
昔の物も機会があったら観てみたいと思います。 電話の着信音とかをフルートで表現したりするのとか、面白いなーって思いました。

またちょくちょく拝見させて頂きますね。

【2007/11/21 18:31】 | URL | aquatic #-[ 編集] | page top↑

aquaticさん
>先日は色々とありがとうございました。
いつもありがとうございます。メールもいただいています。

>やっぱりカンパニーはその後色々な作品に影響を与えているんですね。
今見ても斬新で面白いですよね。
すごいです。

【2007/11/21 23:03】 | URL | himika #mQop/nM.[ 編集] | page top↑

おかげさまで、カンパニー、見られました。
音楽がいいな、好きだなあが見はじめてすぐの感想です。
>とにかく洗練された舞台で惹きつけられました。
登場人物たちが個性的でセリフのやり取りも一癖あるんですよね。演出も凝っていて。一瞬とも見逃したくない(英語ができればセリフ、歌詞を一言も聞き逃したくないところ)と思って見ました。
>やっぱりRaul Esparzaが最高でしたね。(中略)
>心の中は様々な思いで揺れ動いているBobbyを表情豊かに演じて、
歌がいいのは知ってましたが、本当に表情が豊かで魅力的な役者さんですね。
私もカンパニーを見ながらTTBのことを思い出してました。
過去のhimikaさんの記事も読み直しましたが、うーん、そうですね、カンパニーとRENTの間にTTBを置いてみると、ジョナサンがソンドハイムから受けた影響、ソンドハイムへのリスペクトが浮かび上がりますね。

【2007/11/24 01:15】 | URL | chie #-[ 編集] | page top↑

chieさん
>おかげさまで、カンパニー、見られました。
よかった~。宣伝した甲斐がありました(笑)

>音楽がいいな、好きだなあが見はじめてすぐの感想です。
今も色んな曲を思わず口ずさんでいたりします。

>一瞬とも見逃したくない(英語ができればセリフ、歌詞を一言も聞き逃したくないところ)と思って見ました。
英語の歌はしっかり韻を踏んでいて、そのリズム感がいいのよねえ。


>>やっぱりRaul Esparzaが最高でしたね。
>歌がいいのは知ってましたが、本当に表情が豊かで魅力的な役者さんですね。
インタビューの映像のヒゲもじゃの顔にはビックリしましたが(笑)

>うーん、そうですね、カンパニーとRENTの間にTTBを置いてみると、ジョナサンがソンドハイムから受けた影響、ソンドハイムへのリスペクトが浮かび上がりますね。
本当にそうですね。特にTTBはね。
でも、設定を借りつつも、そこにその時代の雰囲気を盛り込もうとしたんでしょうね。その努力が、ラ・ボエームをベースにRENTを書く時に生きてきたのかも。

【2007/11/24 02:19】 | URL | himika #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
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