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TPT『エンジェルス・イン・アメリカ』観てきました
TPT Angels in America 2007
チラシ:裏

TPT制作『エンジェルス・イン・アメリカ』
国家的テーマについてのゲイ・ファンタジア
Part1:ミレニアム Part2:ペレストロイカ
トニー・クシュナー作
ロバート・アラン・アッカーマン演出
CAST
 ロイ    山本亨
 ジョー   パク・ソヒ
 ハーパー  宮光真理子
 ルイス   池下重大
 プライアー 斉藤直樹
 ハンナ   松浦佐知子
 ベリーズ  矢内文章
 天使    チョウソンハ 他
TPT Angels in America 2007
チラシ:表

昨日(3月21日)、『エンジェルス・イン・アメリカ』をみてきました。場所は都営新宿線または大江戸線の森下駅の近くにあるベニサン・ピット。そっけない大きなドアひとつだけの入り口。入ると小さい受付カウンターとその向かい側に大きな天使の像。でこぼこな短い廊下の突き当たりが劇場なのですが、それはすごく小さい体育館のような感じ。客席は階段状になっていて横に20席ぐらいで7列、定員140人くらい。たぶんステージの方が奥行きがありそう。ステージは、床から人が座れる位の高さに四角くつくられていました(さらにその奥もあるのですが)。そしてキャットウォーク(ここも色んな演技に使われる)。とにかく小さい。私は偶然4列目のほぼ中央の席を取ることができたのですが、本当にステージが近くて、私だけのために演技してくれてるみたい。椅子の塗装もはげまくっているし内装もぼろっちいんだけど、すごくいい雰囲気。照明が消えると、こんなに真っ暗になるってことがあるの?と思うくらい暗くなるんです。このホールに来ただけでもかなり感動でした。

ストーリーは過去記事にも少し書いたし、wowwowにもあるので、よかったらみてください。

私はたぶんちゃんとしたお芝居を観るのはこれがはじめてくらいなんですが、ミュージカルとはまたちがって、言葉もすごくはっきり聞こえるし、叫んだり怒ったりするシーンでは「こんな大きな声が出るの?」と思うくらい迫力があり、すごく惹きつけられました。政治を裏から動かした悪徳弁護士のロイ・コーンの恫喝もものすごくて、こっちまで怒られている気分になったし、薬物依存のハーパーがつらい現実から幻想の世界に逃げ込んで、南極にやってきたところのはしゃぎようなど、「本当にこの人大丈夫かしら?」と思うくらいいっちゃってました。

エイズに感染してしまうプライアーは、TV版のジャスティン・カークは角張った顔で眉毛が濃くてくっきりした顔立ちですが(でも、天使の声に「怖いよ~」と脅えてる姿はとてもカワイイのですが)、こちらのプライアーはもうちょっと優しい感じの人。でも可愛かった♪ルイスも攻撃的な物言いは迫力がありましたが、時々すごく情けな~い感じだったりして、TV版とはちょっと雰囲気がちがうけど、ころころ態度が変わってつかみどころのない感じはやっぱりルイスだな~と思いました。ベリーズはかなりオカマさんちっくなしゃべり方で、ジョーはさわやかな感じの人、ジョーのお母さんのハンナとロイ・コーンに冤罪で電気椅子に送られたエセル・ローゼンバーグという動と静の二役を演じ分けていた女優さんもすごかったです。

一番ビックリしたのは天使。TV版では白い大きな羽根を突けたエマ・トンプソンが天井を突き破って店から舞い降り、空中に浮かんだまま色んなことを言うのですが、その姿はちょっとおばちゃんだけど神々しい感じだったのですが、舞台版の天使は男性がおっぱいをつけてボロボロになった羽根をまとってあらわれるのです。「天使にはバジャイナ(vagina:女性器)が8個あって・・・」とプライヤーがベリーズに説明したあと、天使は両性具有なのだと言って腰にまとったわずかな布をまくって8個の男性器をみせたりして(笑)神々しいというより、俗っぽい感じの天使でした。でも変に美しくまとまり過ぎなくて、かえってこっちの方がいいのかも。

TV版にはないシーンもいくつかありました。TV版ではプライアーとハーパーは一度だけ互いの妄想の中で出会うのですが、他にも出会うシーンがあったり、最初に話だけ出てくる犬の名前を付けられた猫(TVでは「シバ」、舞台版では「ラッシー」という名)の話もあとで出てきます。一方、天国のイメージがなぜかサンフランシスコだということで、TV版では実際にサンフランシスコにある作り物の遺跡(万博用につくったものとか)を天国に見立ててうさんくさい天使が集まっていて、それがとてもおかしかったのですが、そこはちがう演出になっていました(一枚目の写真がそのシーン)。

トータル7時間、色んな人間関係が交錯する物語なので、感想をひとことで言うのは困難ですが、様々な苦難を抱えた人々の姿を通して、前進は何かを壊していくことにつながるかも知れないけれど、それでも人は前に進んでいくしかないし、進んでいく先に希望があるというメッセージにとても共感を覚えました。それと何より面白い!!堅苦しい話ではないし、かなり毒のあるキャラクタも出てくるし、結構えっちだし(笑)モルモン教徒は信じられないくらいくそまじめで、ユダヤ人は訳のわからない理論を次から次からまくし立てるしわがままだし、神が人類を見捨てた?南極にエスキモー?等々、そこまで言っちゃっていいの?っていう話がいっぱい。でもエイズになっても賢明に生きようとするプライアーはもちろん、それぞれがその人なりに生きたり、死んでいったりする姿がなんだかとても愛おしいのです。

公演は始まったばかり。お時間がある方はちょっとひと頑張りして観に行かれることをオススメします。TV版(DVDもあり)の特撮シーンもきれいだし、見応えがあるけれど、生の舞台の迫力もそれに負けないものがあります。よろしければ、是非♪

ちなみに、劇場の周辺はほとんどお店がありません。すぐ近くに公園があってお弁当を食べている人がいて、これはいい考えだと思って、ミレニアム開演前にコンビニをひとつみつけ(公園を越えたあたり)肉まんを買ってきて食べたのが昼食がわり。1時半からはじまったミレニアムが終わるのが5時くらい。間に2回休憩がありその間は受付でコーヒーとサンドウィッチみたいなのを売っていたようです。

劇場周辺はもちろん、森下駅まで戻っても飲食店もほとんどなく、駅を超えたあたりで回転寿司をみつけて夕飯がわりにしましたが、時間が早すぎてひとが少なく貸切みたいに。他の人はどこにいたのかしら。時間が余ったので、劇場の近くにひとつだけある喫茶&定食屋に寄ってお茶したら、私の隣に座っていたふたり連れなど4人くらい来てました。6時半開演のペレストロイカも休憩が2回。終わったのは10時近かったような。

言い忘れましたが、この公演はチケットが安い!!パート1(ミレニアム)、パート2(ペレストロイカ)がそれぞれわずか5,000円。それを通しで買うとなんと9,000円。ちょっとしたミュージカルやオペラでも一本でそのくらいしますよね。そしてパンフレットは500円。値段以上の価値があることは間違いありません。

◆公演公式サイト
 TPT TPT エンジェルス・イン・アメリカ
  2007年3月20日(火) - 4月8日(日) ベニサン・ピット(東京)

◆TV版公式サイト
 HBO Film: Angels in America(英語)
 wowwowエンジェルス・イン・アメリカ

◆TV版DVD
エンジェルス・イン・アメリカ エンジェルス・イン・アメリカ
アル・パチーノ (2006/04/07)
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【2007/03/22 22:32 】 | Angels in America | コメント(4) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント

観てこられたんですね♪
トータル7時間とは驚き☆
ドラマとほぼ同じ時間の流れで進行していくのでしょうか。
ドラマは全6話でしたっけ?

今回はヘドウィグがあるから無理ですが
いつか1度は観てみたいです。
ただ日帰りが難しいから地方公演があると
うれしいんですけどねぇ。
WOWOWの再放送も楽しみにしています♪

ちなみに私の夫は昔モルモン教徒でした(笑)

【2007/03/24 07:04】 | URL | maruko #xpRige7I[ 編集] | page top↑

marukoさん
>観てこられたんですね♪
観てきました~!(笑)

>トータル7時間とは驚き☆
>ドラマとほぼ同じ時間の流れで進行していくのでしょうか。
>ドラマは全6話でしたっけ?
大体はドラマと同じだったと思いますが、同じ舞台の上でふたつの話(例えばベッドの上で話すルイスとプライアーと、ケンカするジョーとハーパー)が交互に進行したり、舞台の周囲のキャットウォークでも他の話が進行したり、客席から出てきたり、舞台ならではの演出も楽しめました。
ドラマは全6話。パート1と2が各3話ずつです。

>ただ日帰りが難しいから地方公演があると
>うれしいんですけどねぇ。
そうですね。
または終了時間がもうちょっと早かったら日帰りできるのかしら?
ベニサン・ピットがこぢんまりしていい感じなので、あの雰囲気も味わって欲しいなあ。

>ちなみに私の夫は昔モルモン教徒でした(笑)
そうでしたか。
そういうバックグラウンドの方はこの物語をどうご覧になるのかしらね。
色んな見方ができる舞台ですね。

【2007/03/24 22:34】 | URL | himika #-[ 編集] | page top↑

改めて思ったんですけれど、
私はTV版を観てないせいもあるかもしれないけど、
キャストがとても自然に物語に入っている舞台作品ですよね。
海外のものって、どこかとって付けたようになることがあると思うんですが、
それが全然なくて説得力があったなーと。
多分、それは、このお話が、
実はとても普遍的なことを語っているから、なのかもしれない、
なんか、himikaさんの感想を読んでて
急にそう思いました。

うんうん。やっぱり素敵です!

【2007/03/28 22:15】 | URL | tomoko #-[ 編集] | page top↑

tomokoさま
>改めて思ったんですけれど、
>私はTV版を観てないせいもあるかもしれないけど、
>キャストがとても自然に物語に入っている舞台作品ですよね。
そうですね。翻訳って感じがしなくて自然ですよね。ミュージカルとちがって字数とか抑揚にとらわれずにうまく訳せるからかしら。

ジョークまで上手に訳してるんですよね。モルモンの天使「モロナイ」を茶化す場面で、テレビ番では「モロン(moron:ばか者)」という言葉をつかってるんですが、日本語では「おもろない(面白くない)」と関西弁で。

>多分、それは、このお話が、
>実はとても普遍的なことを語っているから、なのかもしれない、
どうみても日本人にしか見えないユダヤ人とか、いかにも黒塗りしただけの黒人にはじめは違和感があったけど、だんだんどうでもよくなってくるんですよね。
同性愛者でもエイズでもモルモン教徒でも薬物依存症でもない私でも、色んな悩みを抱えたひとりの人間であることにはかわりがないし、ね。

【2007/03/28 23:47】 | URL | himika #-[ 編集] | page top↑
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